自白強要の禁止

Confession

自白の補強法則

判例
最高裁判決
最高裁判所大法廷 1949(昭和24)年5月18日 判決

所論は,共犯者又は共同被告人の供述は,それだけでは被告人の自白を補強する証拠とすることはできないと主張する。そして,また共犯者又は共同被告人の供述をもつて,被告人の自白を補強する証拠と認め得るがためには,共犯者又は共同被告人の供述自体が他の証拠により補強されており,かつその供述自体と他の証拠を共に証拠説明中に挙示していなければならぬと主張するのである。しかしながら,共同審理を受けていない単なる共犯者の供述は,各具体的事件について自由心証上の証拠価値の評価判断の異るべきは当然であるが,ただ共犯者たるの一事をもつて完全な独立の証拠能力を欠くものと認むべき何等実質上の理由はない。また,かく解すべき何等法令上の根拠も存在しないのである。憲法第38条第3項及び刑訴応急措置法第10条第3項の規定を援引して,かかる解釈を主張することも是認するを得ない。次に,共同審理を受けた共同被告人の供述は,それぞれ被告人の供述たる性質を有するものであつてそれだけでは完全な独立の証拠能力を有しない。いわば半証拠能力(ハーフ・プルーフ)を有するに過ぎざるもので,他の補強証拠を待つてこゝにはじめて完全な独立の証拠能力を具有するに至るのである。しかし,その補強証拠は,必ずしも常に完全な独立の証拠能力を有するものだけに限る必要はない。半証拠能力の証拠を補強するに半証拠能力の証拠をもつてし,合せてこゝに完全な独立の証拠能力を形成することも許されていいわけである。されば,ある被告人の供述(自白)を共同被告人の供述(自白)をもつて補強しても,完全な独立の証拠能力を認め得ると言わねばならぬ。

判例
最高裁判決
最高裁判所大法廷 1949(昭和24)年5月18日 判決

所論は,共犯者又は共同被告人の供述は,それだけでは被告人の自白を補強する証拠とすることはできないと主張する。そして,また共犯者又は共同被告人の供述をもつて,被告人の自白を補強する証拠と認め得るがためには,共犯者又は共同被告人の供述自体が他の証拠により補強されており,かつその供述自体と他の証拠を共に証拠説明中に挙示していなければならぬと主張するのである。しかしながら,共同審理を受けていない単なる共犯者の供述は,各具体的事件について自由心証上の証拠価値の評価判断の異るべきは当然であるが,ただ共犯者たるの一事をもつて完全な独立の証拠能力を欠くものと認むべき何等実質上の理由はない。また,かく解すべき何等法令上の根拠も存在しないのである。憲法第38条第3項及び刑訴応急措置法第10条第3項の規定を援引して,かかる解釈を主張することも是認するを得ない。

自白の補強法則の限界

判例

被告人の自白と補強証拠と相まって全体として犯罪構成要件たる事実を認定し得られる場合においては,必ずしも被告人の自白の各部分につき一々補強証拠を要しない。

最高裁判決
最高裁判所大法廷 1949(昭和24)年5月18日 判決

所論は、本件のごとき殺人の場合には、殺意についても、実行行為についても、致死の結果についても、すべて被告人の自白は、他の証拠によって補強されなければならぬと主張するのである。しかしながら、憲法第38条第3項において被告人本人の自白に補強証拠を必要としている趣旨は、被告人の主観的な犯罪自認の供述があつても、それが客観的に犯罪が全然実在せず全く架空な場合があり得るのであるから、大体主として客観的事実の実在については補強証拠によつて確実性を担保することを必要としたものと解せられるのである。だから、被告人の自白と補強証拠と相待って全体として犯罪構成要件たる事実を認定し得られる場合においては、必ずしも被告人の自白の各部分につき一々補強証拠を要するものとは考えられない