強盗

Robbery

客体

行為

強姦未遂における被害者の反抗と財物強奪時における畏怖・抗拒不能の成立

判例

強姦に対し本能的に強く反抗したからといって,必ずしもその後なされた強盗に対して抗拒不能が成り立たないとはいえない。

最大判 昭和23年6月23日

要旨
裁判所:最高裁判所大法廷
判例:1948年(昭和23年)6月23日
事件番号:昭和22(れ)219
出典:刑集 第2巻7号680頁

論旨は,被害者が強姦行為に対し力一杯反抗した証拠と被害者が畏怖し抗拒不能となっているのに乗じて左手の腕時計をもぎ取って強取した犯罪事実との間に重要な齟齬があるというのであるが,本件被害者は「ぐずぐずしておれば,強姦され私の一生は台無にされると思い,私は力一杯の元気を出して反抗しました処相手は私に馬乗りになった儘左手にはめていた腕時計をもぎ取り」し旨を供述しているのであって,婦人が強姦に対し本能的に強く反抗したからといって,前記状態において畏怖を感じ腕時計の強奪に対し抗拒不能であったと原審が認定したことは,常識上むしろ当然であって毫も所論のような齟齬は存在しない。

説明

要するに,性被害に対して本能的な防衛本能がはたらき,その上強盗があった本件では,追加された強盗そのものに抵抗する余裕がなかったことをいう。したがって強姦に対してのみ抵抗をなしたとみなされ,強盗に対してはもとより抵抗ができなかったと認定されている。なお現行の不同意性交等罪については,抵抗を抑圧するに足る暴行や脅迫を要しない。